連日、コロナウイルスのニュースが世間を騒がせていますね。
インフルエンザの流行の季節でもありますし、ウイルス対策をしっかりし、みんなで元気に春を迎えたいものです。
私も、うがい・手洗い・人込みでのマスク着用心がけています。
さて、前回のブログで、愛媛県看護協会「在宅に向けて多職種連携に関する研修会」に参加し事例発表をした時のことを書かせて頂きましたが、今日は事例の内容についてご紹介できればと思います。
事例:グループホームで看取り希望であったが、結果的にできなかった事例
Aさん、80代、要介護5、多数傷病あり、意思疎通は難しく寝たきり、全介助
ご家族は、グループホームでの看取りを希望されていた。
ご本人が認知症になられる前の事前意思については確認できていなかった。
〇ケアの取り組みと感じたズレ
表情やバイタルサインを考慮し、移乗介助をするようにし、体調に合わせベッド上で過ごしてもらうように努めていた。
嚥下機能低下がみられたので、食事形態や食事介助には特に注意を払ってケアにあたっていた。
ご家族は「口から食べれる分だけでいいです。」と言われており、極力ご本人の良いタイミングがとれるよう、食事介助を始めてもむせがある時は一旦中止し、時間空け様子をみて再開し、再開時もむせがある時はまた一旦中止し…。という方法で、食事介助にあたっていたが、むせ込み、飲み込みの悪さもあり、誤嚥性肺炎になられる危険性も考えられた。
ご本人のかかりつけ医にも、体力低下や食事のご様子は伝えていたものの、採血検査では栄養などの数値や炎症反応など、数値的には問題がないと言われていた。現場で日々ケアにあたるスタッフと先生の間で体力低下や誤嚥の危険性などについての感覚のズレを感じた。
〇体調急変
ある日、日中に38度近い発熱があった。その後、先生の指示に従いクーリング等実施するも、熱は39度に上がった。
ご家族は往診・訪問看護等は希望されなかったが、先生より熱の原因を検査するため入院を勧められる。
ご家族は悩まれたが、結果的に入院することを選ばれた。
入院後、発熱の原因は特定される。抗生剤の点滴にて熱は下がるも、唾液・痰が多く喀痰吸引が必要であった。
今後も常時必要であるのと、退院の目途が立たないということで、退去の申し出が入院より数週間後ご家族よりあった。
〇課題
①意思疎通の難しい利用者様の本当の願いは?
②介護者と医療とのズレ
③グループホームで看取り希望の方の急変時、ご家族との細かい取り決めが必要であるが、いざその時が急に訪れた場合、ご家族の気持ちも揺れ動き、どう対応するべきか。
〇課題について頂いたアドバイス
①事前意思の確認。
グループホームということで、入所時認知症がおありなので本人の事前意思確認が難しいとは思うが、ご家族等がおられる場合は、「以前、どうゆう風に話されていましたか?」と確認しておくと良い。
②日々のケアの現場と医師とでは、ズレが生じやすい。そのつやぎ役となるのが、訪問看護(医療と介護の間の看護)になると思うので、訪問看護の有効活用。
③については、具体的なアドバイスはありませんでしたが、今回の事例を経験し感じたのは、
危険予測をご家族にも相談はし対応も話していたが、危険予測していることが起った時、どうゆう風に対応するかをもっと細かく取り決めできていたら違う結果になったのではないか…。介護現場と医療のズレを生まない工夫ができていたら…。そして、一番大切なご本人の意思が事前確認できていたら…。そう思うと自分の力不足が悔やまれます。
何事も経験して、迷ったり、失敗したり、ちょっと上手くいったりしながらでないと、わからないことが本当に沢山あります。できたら、あまり苦労せず上手にやれたら、とも思いますが…。経験したことを振り返ることで、”こうすればもっと良かった”が見えてくるので、また前に進む助けにもなります。
経験の分だけ人生は豊かになると思って!
グループホームやわらぎ
宇都宮 忍
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社長 (木曜日, 13 2月 2020 11:56)
むつかしいなあ~
老衰という形で眠るように亡くなられればいいけど、肺炎など病気が発生すると、どうしても医者の判断が優先して入院という事になるかな
私の母親も緊急入院で、車で走行中の私の携帯に「気道確保の切開しますかどうします?」私は即座に「お願いします」と返事したものの結局数時間後に亡くなりました。
後になって、そんなことなら痛い思いして切開しなければよかったのにと悔やまれるが、少しでも生きてもらいたいという気持ちだった。
誰しも家族は思いは同じだと思うが---。事前に聞き取りをした通りには、その時の状況によって実施するのもむつかしい、なやましいなあ。
多数傷病あり とは病気以外に骨折などケガがあったの?