日本のオモテナシ。

久し振りに大阪へ出張した。

昔、10数年暮した町だが しばらく行ってなかったもので、

大阪駅 梅田地下街を歩くと迷いそうになり、

地上に出てみると新しいビルがたくさん出来ている。


あべのから環状線で半周してみると こちらは昔とあまり変わらない。

やはり、東京の発展とは比べものにならない感じである。



当日は泊まるホテルを決めてなかったので、

大阪駅の中の旅行会社でホテルを探してもらうことにした。


 

入店すると

「いらっしゃいませー。」

とあちこちから女性の声が聞こえる。

 

カウンター席にはすでに何名かの客がすわっている。

サテ と店内を見廻していると、

外でチラシを配っていたと思われる若い女性がやって来て 用件を聞き

番号札を渡され、待合席をすすめてくれる。

 

しばらくして案内があり、カウンター席に座る。

「本日のお宿ですね。」

用件はすでに彼女に伝わっていて、パソコン画面で検索してくれる。

が、中々ヒットしない。

 

その間 お客が入店するたびに 店の奥からも カウンター席からも

「いらっしゃいませ!」と言う声が聞こえてくる。

 

「最近は大阪も景気がいいの?」

などと 2~3 画面に向かっている彼女に質問してみるが、

当意即妙、適切な距離を保った それでいて温かみのある答えがかえってくる。

 

年の頃は30そこそこか?

カウンター席の女性の中では 一番年長かと思われたが、中指の銀色の指輪がまぶしい。

 

 

「10分程 歩いていただくようになりますが、この近辺ではここが一番お安いようです。」

と 1件紹介された。

 

ホテルの地図と予約票をもらって店を出る時、彼女は立ち上がって

「ありがとうございました。」

と軽い微笑をたたえて見送ってくれる。

呼応するように「ありがとうございました。」の声が聞こえる。

迷いがなく 自然体で身についたあいさつである。

店舗が生きものの様に一体となって動いている。

 

私も商売柄 接客態度はいつも気になるのだが、この店のようにはうまくいかない。

素晴らしい社員教育の成果だと思うが、本人の資質も影響するだろう。


最近はスーパーのレジでも丁寧なあいさつをしてもらえるが

ぎこちなかったり、お仕着せ的なものを感じ、中々ハートに響かないものである。


ここは、海外からのお客も多いと思うが、

日本が誇れる “オモテナシ” である。


JTBの北田さん もう一度訪れたい店舗である。


 

 

      さて、紹介してもらったホテルでコーラーとペットボトルのお茶を飲み、

      翌朝精算すると 700円 である。

      自動販売機で買えば1本130円のものがである。

      富士山の山頂でもこんなに高くはなかったと思うのだが・・・。

      確かにいいホテルだったが、この ”オモテナシ” はいかがなものだろう。

 

 

      最後に貧乏性の私の愚痴でした。 

 

 

 

                                                                                                                                                                                                    社長     寺 川 勲 雄