職員インタビュー


今回インタビューしたのは、グループホームいくしに勤務するお二人の介護職員です。

 

お二人が勤務するグループホームいくしには手作りの壁掛けが飾ってあります。

 

今回登場する須之内さんと渡邊さん、利用者の皆様、職員一同が協力して制作しているそうです。

 

お二人に作り始めたきっかけや作品に対する想い、利用者様との共同作業についてお伺いしました。 

グループホーム施設  介護職

須之内 志緒里

渡邊 明美

利用者さんとの共同作業で制作! 作る人と見る人に笑顔と感動を届けたい!

    渡邊さん   須之内さん

Q.須之内さんが手作り壁掛けづくりに参加したきっかけは何ですか?

須之内さん

やわらぎに入社した年に、当時の上司から「何でも良いので利用者さんと一緒に何か作品をつくってください」と言われたのが、始めたきっかけです。何を作っていいか分からなかったので、

とりあえず、その当時に施設にあった半紙や折り紙、包装紙などで壁掛けみたいなものを作ろうと

思いました。その後、色々作っているうちに調子こいてしまい、気づいたら段々と大きくなって

きました。

Q.調子こいて(笑)しまったのですね。どうして壁掛けだったのですか?

須之内さん

白い壁だけだと、何か寂しい感じがしたんですねよ。殺風景な感じがして。

どうせ作るのなら、皆に毎日観てもらいたいし、だったらこの壁を活かして何か作ろうと

思いました。

Q.渡邊さんが手作り壁掛けづくりに参加したきっかけは何ですか?

渡邊さん

やわらぎに入社する前はデイサービスで勤務していたのですが、そのデイサービスでは利用者さんの機能回復作業の一環として工作をしていました。

グループホームいくしで働き始めて、この壁掛けを見たとき、私も参加したい!利用者さんと一緒に作りたい!と思って参加したのがきっかけですね。


Q.どうやって作っているのですか?

須之内さん

利用者さんに白地の紙に色を塗ってもらう所から始まります。

利用者さんに塗ってもらうと味がでるというか、いい感じで色ムラが

出るんですよ。また利用者さんの手の運動にもなるし、塗り絵感覚で塗ってもらいます。桜の季節なら利用者さんに桜の花びらを切り取ってもらったり、一緒に貼ったりしながら作ります。

渡邊さん

私はキットを作る所から始めます。

あらかじめ利用者さんが作業しやすいように、ちょっとした加工をしておくんですね。例えば、トイレットペーパーの芯で鯉のぼりを作った時は、事前に芯に切れ込みを入れておきます。後は丸めて、色紙を張り付けるだけなので、簡単に作れます。

利用者さんと楽しく作るのが目的ですからあまり難しい作業をお願いしないようにしています。

 

Q.「利用者さんと一緒につくる」という所がポイントなのですね。 作品を作る際の材料は何を使っているのですか?

 須之内さん

紙が基本です。ただ紙と言っても色々な紙を使います。段ボール、半紙、包装紙などです。基本は施設内にあるものを使います。購入することはあまりないです。お金をかければ、綺麗なもの、美しいものはいくらでも作れます。

でも大切なのは、あるものを活かすという気持ちだと思います。 

この包装紙をどうやって使おうかなぁと考える方が面白いでしょ(笑)

 渡邊さん

私も基本はあるものですね。トイレットペーパーの芯や廃材、カマボコの板

毛糸、テープなどです。


Q.一緒に作っている利用者さんの反応はどうですか?

須之内さん

「これは何になるの?」

「あぁ上手く塗れないっ」など和気あいあい皆さん楽しんで作ってくれますよ。

利用者さんの中には手を出さずに、工作を見るだけの方もいますがそれでも顔は笑っていますから、

皆さんの退屈しのぎには良いのではないでしょうか。利用者さんの皆様は作っている段階では何になるのか分からないので「どんなものができるのだろう」と好奇心がそそられているようです。

渡邊さん

私の作品は細かく手を動かさないと作れないものが多いので、利用者の皆様は苦労されているようです。それでも完成した時の喜びは特別なようで、声を上げて喜んでくれます。


Q.作る時のこだわりなどありますか?

須之内さん

まずはストーリー性があること。もうひとつは「自宅ならあるであろう風景」を想像し、再現することです。ストーリー性というのはメインテーマが夏の場合は「太陽の光が降り注ぐ中、ヒマワリ畑をドライブする利用者様」というように物語性を持たせることで、利用者さんもドライブに行った気分になってくれるかなと思います。

「自宅ならあるであろう風景」を再現するということはどんなことかと言いますと、例えば冬ならこたつにみかん、鍋、窓から柿の木を眺めている風景とかを再現するということです。グループホームは利用者様にとって自宅であって施設ではないんです。壁掛けではそんな自宅にいるような日常風景を表現するようにしています。

渡邊さん

私は利用者様が自分で作った作品は、ご自身のお部屋に持ち帰って飾ってもらいたいと考えています。

須之内さんと利用者様が一緒に作り始めるのを見ながら「よし、須之内さんが梅雨をテーマに何か作っているから、私は雨の中をカエル合唱している作品をつくろう」とイメージして利用者様のお部屋にも飾れる雨とカエルのオブジェを利用者様と一緒につくります。

 


お二人が役割分担をされて、利用者様がより楽しんでもらえるように企画・制作しているのですね。今後の目標などありますか?

今後の目標などありますか?

須之内さん

これまでも他の職員の方々の協力があって、利用者さんと一緒に作ってこれました。本当に感謝しています。介護の仕事が本業なので、その仕事はきちんとこなし上で、空いている時間を壁掛けづくりに使いたいなと思います。

そんなに時間は取れないのですが皆さんと一緒に作っていると利用者様との会話が増え、本当に楽しい時間です。

これらも他の職員の方の協力と共有をしながら、このグループホームにいる全員で作っていきたいですね。

渡邊さん

私自身が作っていて楽しいので、この楽しさをもっと多くの人に感じてもらえたらいいなと思います。利用者さんにも楽しんでもらいたし、完成を楽しみしてくれる人もいるので、この作品を観てパワーや癒しを感じてくれたらと思います。

あまり複雑なモノにすると、利用者様の負担になるし、限られた利用者様しか制作に参加できなくなるので、全員が制作に参加出来て、なおかつ楽しい作品をどんどん作っていければと思います。

 


お忙しい中、ありがとうございました。これからも素晴らしい作品を期待しています!